マートンとショールズの金融工学は危機に対応できなかった
1973年クーデターにより誕生した南米チリの軍事独裁政権です。
フリードマンはこの新政権に協力。
10年以上にわたって、チリを彼の理想とする「自由主義市場」の実験場とします。
シカゴ大学で育てた「シカゴボーイズ」と呼ばれる弟子のチリ人たちを、次々と経済省や中央銀行へと送り込みました。
フリードマンの場合は人権侵害を行っていたチリの軍事政権と、強い関係があると思われてたのでフリードマンの受賞が発表されたときに、強い抗議運動があったみたいですね。
なるほど。
スウェーデンでは数千人規模のデモにまで発展するという形で。
実際70年代はフリードマンいわく「チリの奇跡」と言われるような、経済発展を遂げたと言われてるんですが、その後経済もだいぶ右肩下がりになって、フリードマン自身も90年代以降はアメリカの経済学界の表舞台からも、姿を消していくという形に。
そういった栄枯盛衰があるんです。
ところで君投資なんて興味ない?
例えばノーベル経済学賞受賞者と俺。
君ならどっちに投資する?
ウーン…。
1997年の受賞者ロバート・マートンとマイロン・ショールズの2人は、金融工学の研究で賞を受賞した。
特にショールズが作った「ブラック・ショールズ方程式」は、金融の世界では今でも有名な理論さ。
もう一度聞くよ。
君ならどっちに賭ける?
ノーベル?
それとも?
MATAYOSHI。
君は賢いな。
1970年代急速に進歩した金融工学。
マートンとショールズの受賞はこうした利益追求の学問が、ノーベル賞にふさわしいかという議論を巻き起こしました。
マートンとショールズはLTCMというヘッジファンドの経営に参加。
自らの理論を利用し高い収益を上げていました。
LTCMは「世界最高の金融工学者集団ドリームチームだ」と、もてはやされていたのです。
しかしノーベル賞受賞の翌年衝撃的な事件が起こります。
1998年ロシアで国債の債務不履行が発生。
そのあおりを受け極めて優秀な利益を上げていたLTCMも、莫大な損失を生みついには破綻してしまいます。
マートンとショールズの金融工学は危機に対応できなかったのです。
ちょっとねノーベル経済学賞の権威に傷が付くというか…。
どうですか?
実際に彼らが考えた理論は理論であって、それと同時に自分たちが会社の中で、そういった理論をある種生かしたお金儲けをしてたわけですが。
実践で試してみたくはなりますねきっと。
なりますね。
たぶんお金儲けとは一概に言えないというか。
他の分野だったら普通に政府の政策に反映させてとかなるんで。
それでも実際失敗することってありますからね。
僕なんかプロとして失格かもしれないですけど、頭の中でネタ考えて「すっごい面白いのできた」と思って、舞台でやって思いっきりスベることってありますからね。
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