「情報の非対称性」という概念を打ち出したジョージ・アカロフ
君が知っていて僕が知らないことがある。
僕が知っていて君が知らないこともある。
それが情報の非対称性さ。
OK!PerfectInformation。
「情報の非対称性」という概念を打ち出したジョージ・アカロフは、2001年のノーベル経済学賞を受賞。
受賞理由となった26歳の時の論文「レモンの市場」は、3つの学術雑誌から掲載を拒否されます。
しかしこれは「完全情報」という市場の大前提を崩す事に挑んだ、革命的な論文でした。
レモン市場って確か中古車のことでしたよね。
レモンって酸っぱいじゃないですか。
かじってみて中身が酸っぱいので、ちょっと悪いものって感じでアメリカでは言われてるらしいんです。
中古車だと乗ってみないと車の状態がよくは分からない。
売り手は自分の売りたい車の価値を把握してるけど、買い手はよく分からない。
そういう状況に置かれてるわけですね。
今ですね中古車として3つクオリティーがあると。
低品質中品質高品質3パターンあって、それぞれ10万円50万円100万円ってあるのは、これは今売り手現在の車のオーナーさんにとっての価値ですね。
買い手はそれぞれの品質に対し、売り手の価値の1.2倍の額までなら払ってもよいと考えています。
もし買い手が市場にある車の品質について、正しい情報を得ていれば低品質の車も高品質の車も、買い手が妥当だと考えている額で売買が成立するので、双方ともに納得した取り引きができます。
しかし車の品質が全く分からない場合、買い手はどうするでしょうか?
僕はこういうときは結構悲観的に考える方なので、これは間違いなく僕には低品質の車が回ってくるだろうと思うから。
という事は自分にとっての価値が低品質の場合12万円なので、それよりも高い価格の時はもう買わないと。
そんな感じですか?
そうですね。
ここでは割と単純に平均的な価値で、支払い額が決まってくるような人を考えたいんですけども。
今市場に各品質の車が同じ量紛れているとします。
買い手はどの品質の車が当たるか分からないので、購入金額を3つの平均額までに抑えようとします。
平均額なら損するのも得するのも同じ確率というわけです。
そうすると実際に車が売られている価格が、64万円よりも安くないと買う気が起きないと。
これ買い手の立場から今分析しましたが、今度は売り手の立場になって考えると、何が起こりそうか分かりますか?
100万円の高品質の車を持ってる人は売りたくはないですよね。
ですよね。
自分が持ってても100万円の価値があるのに、マーケットに持ってってしまうと売れても64万円ということで、必ず損をしちゃうわけですよね。
高級車が抜けると市場は中級車と低級車だけになります。
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