ノーベル経済学賞は創立300周年
スウェーデンが世界に誇るノーベル賞。
中でもノーベル経済学賞は創立300周年を迎えた、スウェーデン国立銀行がノーベル財団に働きかけて作られた賞です。
時代の流れを見つめてきました。
今回はかつてない画期的なアイデアで、世の中を一変させた受賞者たちの研究を紹介。
経済学の進化を見ていきます。
お国は?
スウェーデンと言えばノーベル賞だよね。
君興味ある?
1972年つまり第4回目のノーベル経済学賞の受賞者ケネス・アローは、「20世紀で最も功績が大きい経済学者」と言われているんだ。
いろいろあるけど1つは「一般均衡理論」の研究さ。
どの市場においても需要と供給が重なりあったところに、均衡が生まれるって話さ。
まるで男女の気持ちが重なり合ったところに、愛が生まれるようにね。
ノーベル経済学賞を最年少で受賞したのが、当時51歳だったケネス・アローです。
アローは謙虚で気さく争いを好まない性格で、存命中の経済学者の中でも最も尊敬されていると言われています。
アローっていう方はどういうふうにすごい方だったんですか?
アローもいろんな分野で貢献をしてるんですけれども、特に注目したいのがアローが博士論文で書き上げた、研究なんですね。
「社会選択理論」という新しい分野を開拓しました。
今日はそのエッセンスを説明するために簡単な例をご用意しました。
非常に単純な社会的な意思決定を考えてみます。
今ですねAグループBグループCグループと3つのグループで、人が分かれていると。
で今この社会で選べる選択肢ですね、3パターン可能性があって1つは図書館を建設する。
もう一個は体育館を建設する。
もうひとつは何もしないと。
今ABCの3つのグループに同じ人数がいるとします。
Aグループは「図書館建設」を最優先に考え、次に「体育館建設」
最も優先順位が低いのが「何も建設しない」
Bグループは「体育館」「何もしない」「図書館」の順。
Cグループが「何もしない」「図書館」「体育館」の順です。
ここでABCグループ全員で投票を行うと、どういう結果になるでしょうか?
これ割れますよね。
そう割れるんですよ。
結構深刻なしかたで割れてしまうんですけど、ちょっともう一枚フリップを用意したので。
例えば体育館建設か図書館建設かこの2点に関してどっちがいいか、多数決で投票を取ったら何が起こるかを考えてみます。
そうすると図書館の方が体育館よりもいいと思ってるのが、AグループとCグループですよね。
でBグループは体育館の方が図書館よりもいいと思ってるので、2対1で結局図書館と体育館だったら、図書館の方が選ばれるはずです。
同じようなことを他の2つの間の組についても投票してみると「何も建設しない」と「体育館建設」の場合は、これどうなりそうですか?
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