信頼の脳内メカニズムが解明されると、経済学も大きく変わっていく
飲んだらどうなるかはわかりません。
実験は鼻からスプレーで入れたんですよね。
でも厳重に管理されてるそうですから、そんな簡単に利用できないですよ。
先生ちょっと脳を触りながら、言ってたらすごい気持ち悪いですよ。
アハハッ。
tDCSですか?
にしてもオキシトシンにしても、何か自分がよくわかってないのに、その意思決定が変わってしまう側面があるんですよね。
そうですね。
だから脳っていうのは、本人も気づいてないような情報が実は行動を決めてるというのが、まあ最近の脳科学の面白い知見ですね。
なんか自販機とかでその甘めのジュースと水があって、ちょっと糖分取りすぎやから水にしようって思う時と、でもジュースも飲みたいしって迷ったときに、同時に押す時とかあるんですけど…。
同時に押す時にちょっとジュース側の指をえこひいきしてるんですよ。
なるほどしてたんかなって後で思うんです。
それは本人も気づいてないけど脳が少しこっちを強めに押してる。
そうなんですかね。
可能性はあると思います。
飲みたい方が勝つんでしょうね。
そういう時は。
まあこの信頼の脳内メカニズムが解明されると、経済学も大きく変わっていくと思うんですよ。
そうですね。
人間の意思決定っていうと必ず脳が関っているんですよね。
でその脳の中にはこれまでお話ししてきたような、本人も気づいてないような情報がたくさんあるので、そういう情報の解析と実社会と深く結びついている経済学が、カップリングすることでより面白い応用であるとか、新しい学問分野ができていくと思っているんです。
なるほど。
どういう役に立つんですかね?
どうですか?
今考えられているのは例えばマーケティングとかにはありますね。
企業が製品をデザインしたり発売するときに、「これを買いますか買いませんか」というアンケートをすごくするんです。
なんですけどもそのアンケートと実際の売り上げが、全く対応しないんですね。
ですから人も本当にものを買う場面にならないと、それを買うかどうかわからない。
ですからそこは脳科学が期待されているところで、脳がものとかパッケージにどう反応するかというような事は、応用として1つは考えられてますね。
なるほど。
だから人の購買行動も無意識の部分が結構あるってことですか?
そうだと思いますね。
今ちょうどバーゲンの時期ですけど、バーゲンなんかに行くと買うつもりなかったのに買ったりしてる。
無意識でそう思ってなかったのについしちゃう事があるので、そういうものを解読するのも1つの脳科学の可能性。
確かにいい方向に使えそうな気もしますよね。
そうですね。
はい。
悪用しないように。
そうですね。
悪用するのも相当な技術と努力が必要だと思いますが。
悪用するならもっとネタを自分で考えてたほうが、近道なんじゃないかなと。
かなりの研究をしないと悪用できないでしょ。
そうですね。
はい。
ちょっと難しかったかもしれませんがどうでした?
いやだいぶ経済学の印象が変わりましたね。
そうですよね。
経済学と神経科学まあ脳科学とが共同で研究をするようになって、経済学もずいぶん変わってきましたよね。
あんな最先端の技術と結びついているんですね。
そうですね。
人間の脳の仕組みがああいうふうになってるんだったら、それを前提に経済学も組み立て直さなきゃいけないかなと、いうふうになってきてるんです。
なるほど。
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