実験で分かった時間割引率
1年前の今の価値より未来の価値を、低く考える傾向が非常に強かったのですが…。
5万ですね。
5万。
…っていうことになってるんですか?
違うんですよ先生。
この1年でせっかち度に、変化はあったのでしょうか?
そのせっかち度合いがどんな感じなのか、どうやって今と将来の選択をやってるのかっていうのを、調べてみたいんですよ。
なるほど。
ちょっと試してみませんか?
はい。
それでは実験始めましょうか。
はい。
実は今回注目しているのはここ。
視線が重要なんです。
実はこの機械下の方にカメラが仕込んであるんですよ。
え~!で視線をずっと追っててですね、どこを見て決断するかというのが分かってしまうんですね。
むちゃくちゃ恥ずかしいじゃないですか。
アイトラッカーという装置を使って調べた視線の動きがこちら。
ちゃんと日にちと金額を見比べていますね!すぐにもう今お金が欲しいっていう人だったら、今日というのか近い方の日付しか見ないかもしれないですよね。
それからたくさんお金があればいいって思ってる人は、もう日付見ないで金額しか見てないかもしれないです。
はい。
視線でどう考えてるか分かっちゃうんですね。
そうなんですよ。
こうやってみると、経済学の想定どおりのなるほど。
意思決定してますね。
日付と値段両方見てやっぱり現在価値を頭の中で、計算されてるっていうのが分かりますね。
はいはい。
ねちゃんと現在価値計算してたじゃないですか。
はい。
日付と金額をちゃんと比較してますけど、お金の大きい方だけを選んでました?
それしか見てないで選択してましたね。
僕のは結構一般的な見方をしてます?
そうですね。
だから予想外にきちっと現在価値に割り引いて、そして比較するっていう目の動きだと思いますね。
はい。
結果が出たんですよ。
はい。
ね意外に我慢強いです。
えっ!?
先ほどの実験で分かった時間割引率です。
なんと一年前とは大違い。
将来受け取るときの金額が平均よりも低い!実験したどの時点でもそうなりました。
これは時間割引率が低いことを意味します。
つまり我慢強いんです。
ずいぶん普通の人よりも我慢強いです。
へぇ~!ただ安心はできないですよ。
あのねもうひとつ結果が分かってて、90日と97日後の場合はもっと我慢強くなってるんですね。
だけど今のことはせっかちだと。
どういう事が起こるかというと…、えっ!?
そんなことが分かるんですか?
はい。
例えばねダイエットしようって決めるじゃないですか。
まあ3か月後にそのダイエットを成功させようって決めますよね。
で明日からダイエットをしようって決めたときに、また明日になったら…いやまた明日からっていうタイプなんですよ。
なるほど。
はい。
ちょっともう当たってるというかそのとおりですね。
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