市場経済っていうのは信頼の上で成り立っている
市場経済っていうのは信頼の上で成り立ってますよね。
はい。
取り引き相手に信頼を築くことも、市場経済を活発にしていく上ではとても大事ですよね。
はい。
人が知らない相手のことをどのくらい信頼できるのか?
それを計測するために使われるのが経済学で、「信頼ゲーム」って呼ばれる方法なんですよ。
信頼ゲーム。
はい。
はい。
まず見ず知らずのAさんに1,000円が渡されます。
Aさんは1,000円までならばにいくら渡しても、かまいません。
にはAさんからもらった額の3倍のお金が入ります。
今度は今持っているお金の中から、Aさんにいくら渡すのか決めます。
つまりAさんはできるだけ多くの金額をに渡した方が、戻ってくる金額も多くなる可能性があります。
しかし全く戻ってこないこともありえます。
Aさんがをどの程度信頼しているか、初めに渡す金額でわかるのです。
だからこのゲームでね、Aさんがにいくら渡したかってことで、信頼の程度がわかるんですよね。
はい。
でその程度っていうのを決めてくるのが実は、脳内の神経伝達物質の「オキシトシン」というものが、大きく影響してるっていうふうに言われてて注目されてるんです。
オキシトシンは「愛情ホルモン」とも呼ばれ人を信頼するときに、深く関わる物質だと考えられています。
オキシトシンというのはそもそもはネズミなんかでは、親子関係の結びつきに関係していたり、人ではこれまで母乳の分泌なんかに関係するという事が、知られてる物質なんです。
しかしオキシトシンは脳の中でも働いていて、脳の信号を調節するってことが最近わかってきてるんです。
生まれたての子供っていうのは母親を無条件に信頼しなくては、生きていけない。
そういう意味では母親からオキシトシンが出てくるのは、十分考えられますよね。
でチューリッヒ大学で行われた実験っていうのがあって、鼻からオキシトシン吸い込んでもらってこの信頼ゲームのどのくらい、渡すかという程度の違いを研究したのがあるんですよね。
オキシトシンを鼻から吸い込んだグループと吸い込んでないグループとを、別々に準備してその人たちが「信頼ゲーム」でどれぐらい、お金を渡すかということを比べてみたんです。
そうすると…、へぇ~!どうですか?
それ聞いて。
なんか不思議ですね。
なんかみんなファンになってもらおうとかって、使いたいんじゃないんですか?
それが出来たら最高ですが。
我が国ではオキシトシンを入手するのは非常に厳しく管理されていて、そう簡単に我々が手にすることはできないのが実情です。
オキシトシンっていうそれ液体ですか?
液体です。
液自体もあってそれを例えば人に飲ませることも可能なんですか?
手に入れば。
可能でしょうね。
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