和食の魅力を再確認
でもずいぶん過去のものになってきたって言えません?
そうかもしれないですね。
例えばねそのごはんと汁物、おかずっていうのを組み合わせた食事っていうのを、「一汁三菜」っていうふうに言われてきて。
和食の基本スタイルですよね。
はい。
でもずいぶん無くなってません?
確かにそうですね。
僕もまあ一汁五肉というか。
肉ばっかりですか?
肉が多かったり、してるかもしれないですね。
そうですか。
私たちの日本食の文化というのが、だんだん日本人の生活から廃れてきてるというタイミングで、和食が世界の無形文化遺産に登録されるというのは、私たち自らが和食の魅力を再確認するという、契機になると思うんですよね。
はい。
去年12月「和食と日本人の伝統的な食文化」が世界無形文化遺産に、登録されたのは記憶に新しいですよねぇ。
日本にとってはもうすごくいいことですよね。
そうですね。
だから無形文化遺産に登録されれば、和食のブランドってもっと価値が上がりますよね。
そうすると経済学で言うところのシグナルっていうのが獲得できると。
そうすると和食というのは文化的にもいいもんだと、多くの人が思うという形になっていきますから。
それから、おいしいだろうということも想像してもらえるかもしれない。
だから結構いいことですよね。
そうですね。
だけどそれだけ今度はいいブランドになったのに、日本に来てみたら「なんだ?
これは」ということに。
日本人は全然和食を食べてないじゃないかと。
なるほど。
ねえ。
食文化って言われてたけど何もないじゃないかと、いうことになるとひょっとするとこの無形文化遺産も将来、取り消されてしまうかもしれない。
なるほど。
それは避けたいですね。
ねえ。
だからこれを維持しようと思うと、やっぱり私たちの食生活そのものも、やっぱり気を付けていくほうが価値が高くなるということは、あるんじゃないですかね。
あると思いますね。
和食が世界無形文化遺産というシグナルを得たことで世界に向けて、さらにそのすばらしさを発信できるようになりました。
でもこのシグナルは時として問題も引き起こすのです。
はい。
これね丹波の山で採れたマツタケなんですよ。
マツタケですか!はい。
あのう1本10,000円なんです。
高級ですねかなり。
でもねですからね特別8,000円でお譲りしますよ。
フフフッ。
先生いつからそんな商売始めたんですか?
シェアハウスの皆さんでマツタケごはんいいかなあと。
ああなるほど。
丹波産で8,000円やったら、結構お得かもしれないですね。
じゃあいただきましょうかね。
ありがとうございます。
はい。
でもね。
はい。
私が悪徳業者だったら完全にいいカモですよ。
ヘヘヘッ。
えっ!?
ウソやったんですかこれ?
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