生産者農家に所得を保障
去年政府が米の生産調整いわゆる減反政策の見直しを発表しました。
作る場所や生産力はあるのに作る量を制限する減反。
一体なぜ行われているのでしょうか?
日本の農業っていうのはね結構大きな転換期にあるんですよ。
減反っていうのはですね一種の生産調整の1つなんですけど。
どうしてあるのかっていうのを何となく分かってるけれども、よく分かってないと思いません?
それをまあ経済学から説明したいと思うんですよ。
これ知ると結構経済学わかったなという感じになります。
なるほど。
米の生産過剰値崩れが問題となり減反が本格的に導入されたのは、1971年。
米を作る田んぼの広さを限定したため、面積を表す「反」の字を取って「減反」と呼びました。
2004年からは面積ではなく、収穫量を調整する「生産調整」と呼び方が変わり、これを守った農家には交付金が支給されています。
どうして減反や需給調整をして、お米を作りすぎないようにしてると思います?
お米を作りすぎるとお米の価格が下がりすぎてしまう、可能性があるからですかね。
そうですよね。
だけどねよく考えてみてくださいよ。
普通はものが売れたらですねたくさん作れるようになったら、もうかるじゃないですか。
そうですよね。
だけどお米の場合作らないようにしたらもうかる。
なんでたくさん作ったら損をしてしまうのか?
たくさん作ったら確かに値段下がるんですけれども、値段下がった効果とたくさん売れる効果と、両方あるはずですよね。
米は主食であるため他の商品と違い、需要が価格に左右されることが少ないのです。
この需要と供給の関係は米など生活必需品に見られます。
今の話をねグラフを使って説明してみたいと思うんですね。
はい。
何度も出てきてますけれども、需要曲線と供給曲線というのを描いてみましょう。
縦軸に価格を取るのが経済学の流儀なんですね。
で横軸に生産量を取りましょう。
Xとします。
米は価格が下がっても購入量はほとんど増えないため、需要曲線は極端なカーブを描きます。
供給量が1のときと2のときを比べます。
この場合供給量が1のときの農家の収益はオレンジ色の部分。
供給量2のときの農家の収益は水色の部分です。
この収益の差がこちら。
つまり供給量が少ない方が農家の収益は増えるのです。
非常に価格に敏感に需要が変動するような商品だと、たくさん作った方がもうかるんです。
だけどあんまり価格に変動しないような商品だと、たくさん作ると逆にもうけが減ってしまうんですね。
なるほど。
特にお米の場合に減反政策をして、生産者農家に農家の所得を保障するようにする。
だからお米はもうホントに日本人がみんな好きで食べるから、そんなに安くしなくてももう必要な分だけ、みんな買ってる状態ということなんですかね。
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