知的財産権は線引きが微妙
本格的な著作権法の始まりは1710年のいわゆる「アン法」です。
作品の発表後14年という期限付きで、著作者の権利が保護されたのです。
やがて著作権の考え方は書籍以外にも広がっていきます。
1777年作曲家バッハの息子が訴訟を起こし、楽譜の印刷に著作権法の適用が認められました。
これが音楽著作権保護の始まりと言われています。
その後音楽著作権は売買されるようになります。
1985年マイケル・ジャクソンが250曲以上のビートルズの曲の版権を、手にしたことは大きな話題となりました。
知的財産権は線引きが微妙だと思うんですけど、どういうふうに決められてるんですかね。
経済学的に考えるとやはり大事なのは…、これってあえて言えばかけ算みたいな関係な訳ですよ。
物がなくて活用できたとしてもそもそも物がなかったら、活用のしようがないです。
0×1は0なんですよ。
で物がたくさんできても全然使えなかったら、1×0も0なんですね。
その関係を図に描いてみると、創作のインセンティブという観点からは、権利が弱いよりも強い方が頑張って作ろうという気になる。
これに活用のメリットをこの図に描いてみるとこんな感じですね。
作る側の権利が強いと活用できなくなっちゃう。
権利が弱いと普通の人たちはよりいろんな楽しみ方ができる。
というわけで大事なのは創作と活用。
これのバランスなんですよ。
なのでこの2つの図を合体させると…。
これかけ算になってるんですね。
「どの辺りがいいですか」と言うとやっぱり真ん中辺が望ましいと。
社会全体の利益は創作×活用。
計算すると真ん中辺りが最も大きくなります。
でも実際に一番いい所を探すのはなかなか難しいんですね。
なので法律を作るときにも権利者側の代表者に当たるような、有識者ですとかあるいは利用者側の代表になるような、有識者たちがみんなで集まって議論して、法律でどこまで守りましょう。
ここから先は守りませんと。
そういうラインを線引きを決めてるんですよね。
難しいのは普通の財産権との大きな違いとして、知的財産権は多くの場合期間が決まってます。
これも法律をうまく作ってバランスを考えてるんですよね。
期間が長すぎると何が難しいかと言ったら、今度はそのお子さんお孫さんまたお孫さんの中でも、何人かいる中でどの人が今権利を持ってるか分かんない。
探さないといけないです。
苦労するわけですよ。
そうですね確かに。
だとすると著作権があることによって、活用されないっていうことのまた1つのパターンなわけですよ。
亡くなったあとの50年というのは何を守ってる状態なんでしょう?
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