「死荷重」 特許権によって発明が独占されることの問題点
簡単に言うと誰でも思いつく?
誰でも思いつく範疇やったんやなというふうに。
僕今の話全く逆に考えましたね。
それって逆の言い方すると普遍性があるということ。
はい。
人のやってることって意味があるんだなって。
だからそうだったんだなっていう。
それは普遍性があるって事なのか誰でもやってる事なのか、難しいところあります。
作家さんにとっても町田さんも若い頃から落語であったりとか、音楽とか小説読まれてきてその上でご自身の作品があると。
もうもちろんそのとおりですね。
言葉ってそんなに1人の人間の中で完結してるものじゃなくて、それ自体…人のつながりの中で使われているものですからね。
出来上がったものがやっぱりそれが、町田さんでしかないというふうに読者が思えるっていうのが、新しいものとか発展につながっていくのかなって思いました。
私もそう思います。
特許制度にあまりデメリットがあると考えた事がなかったんですけど、どういうことなんですかね?
活用が制約されると。
利用したい人が自由に利用できないデメリットがあるのが、大きいでしょうね。
これを図で表しますとこんな形になります。
この図はある発明の価値がいくらになるのか、利用者の評価額の分布を表したものです。
もし特許がなく全員が発明を0円で利用したら、それぞれの評価額の分だけ得したことになり、黄色の面積分が利用者全体の得になります。
全体としてこの発明が世の中に生み出されたことによって、この黄色い面積分ぐらいの価値が世の中に生まれたと、考えることができます。
これに対して特許権者がいて、使うんだったらお金を頂戴という場合には何が起こるかというと、使える人と使えない人が生まれちゃうんですね。
仮に自由利用で誰でも使えたとしたら、黄色い面積全体が価値として生まれたはずなのに、今斜線で引いた部分の面積は実現しなくなっちゃう。
これがもったいないこと。
これを「死荷重」と言ったりします。
死荷重。
はい。
これが特許権によって、発明が独占されることの問題点だと考えられてます。
一方特許を持つ人は価格×購入者の数、つまりこの四角の面積分だけ収入を得ます。
これが特許権の保護期間中とそのあとに分けた図です。
下の三角形は死荷重といった実現できなかった部分になります。
というわけで特許権が存続する期間中はこの間はずっと、死荷重が発生してる。
もったいない領域は残ってるわけです。
このもったいない領域があるから特許権の期間は短いほうがいいと。
でもこの収入の部分がないと境目をこっちに持っていくと、収入が減るじゃないですか。
発明のやる気が減ってしまうと。
なるほど。
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