パブリックドメインに置くという選択
いうことでバランスが大事になるわけですよね。
2012年iPS細胞の研究でノーベル生理学・医学賞を受賞した、山中伸弥さん。
実は山中さんは研究だけでなく知的財産権の問題にも、積極的に取り組んでいます。
大学が特許を持つことによって他の営利企業が特許を取って、独占することを防ぎ誰でも自由に研究ができるようにしています。
そのために専門的なスタッフを常駐させています。
京都大学が知財を独占して京大だけで実験しようと、そういう意図は全くなくて私たちは最終的なゴールである、患者さんの所に薬なり細胞なりを一日も早く持っていくためには、京都大学という公的な機関が大切な知財をきちっと押さえて、いろんな所に「non-exclusive」と言いますが、非独占的なライセンスをして幅広く使ってもらうと。
それが一番研究を進めるうえで一番いいことだと思いますから。
だから今の状況はもう、1人のスーパースターが何かできるという状態ではなくて、たくさんの人が集まって初めて競争力が高まって、成果も出るというように変わってますので。
世界中で積極的に研究が進み、人類全体で利益が最大になるようにと、山中さんは考えているのです。
例えば難病の特効薬を開発した人が、とんでもない天文学的な数字の値段を設定してしまったりとか、そういうことはできるんですか?
例えば一部のお金持ちしか、買えないようなとても高い値段が仮に付いたとした場合には、特許法上も例えば強制実施権というルールがあったりして、ごく例外的な規定ですが当該発明の内容を、他の人も使っていいよというルールが一応設けてはあるんです。
日本ではまだ一回もそれ使われたことないんですが、実際にはインドで外国の製薬メーカーが持ってる特許であっても、これは重要なものだからインドの国内のメーカーには、もっとずっと低い特許の料金で作っていいですよという、強制実施権を実行した例もあって。
最近のことですね。
でも仮にインドで安い値段でものを売っちゃうと、今度それを先進国に輸出されちゃう。
先進国と途上国で値段を変えられればいいんですけども、それができないから世界的に高い値段が付いちゃう。
今医療のお話でしたが科学技術全般に言えることですよね。
なにか使えるものとか使える発想技術を、どっかで止めてしまうのはやっぱりよくないこと。
ニュートンも…、…という名言を残していましていろんな人たちが、過去の人たちがいろいろ考えてくれた上、その上に自分がいるからこそ次の一歩を踏み出せてると。
ということで大事だと思うのは場合によっては、発明を国とかが買い上げちゃって自由に使えるようにする。
パブリックドメインに置くという選択も考えてもいいかもしれないですね。
いろいろみんな考えて新しいことを生み出すんですが。
それだけの権利を保障されるべきとは思うんですが、そもそも言葉は誰が発明してんとかいう話にまで、なっていくとその力を借りて、いろんな先人の作ってきたものの積み重ねである
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