テクノロジー失業とは
太宰治の作品「津軽」にこんなシーンがある。
舞台は青森・芦野公園駅。
口に切符をくわえた美少女改札の少年にそっと顔を差し出す。
改札係の少年も心得たもの。
しかしテクノロジーのおかげで便利になった。
今さら自動改札のない駅など想像できない。
小説に登場したあの少年はどこに行ってしまったんだろう?
2013年5月…、その原因は不景気。
企業と労働者のミスマッチ。
そしてテクノロジーの進歩。
人間の労働力が機械に置き換わることで失業が起きています。
今回は「テクノロジー失業」について考えます。
先生これすごい便利ですよね!すごいよくできてますよね!先生ご自宅で使われたりしてます?
ええ。
共働きなんでこれあるとすごい便利なんですよね。
そうですよね。
ええ。
でもこれがあると掃除する仕事がなくなってしまいそうですね。
そうですよね。
これ結構う~ん。
よく取れますからね。
19世紀産業革命真っただ中のイギリス。
工場に機織り機が導入されこれまでより短時間で、効率よく製品が作れるようになりました。
このことは労働者たちを不安に陥れました。
自分たちの仕事がなくなり失業してしまうのではないかと。
そこで彼らは機械を壊すという暴動を起こしたのです。
これを「ラダイト運動」といいます。
ラダイト運動っていうのは機械が人の仕事を奪っていくっていう、テクノロジー失業の先駆け的な出来事だと。
暮らしをよりよくしようとして効率を上げるために、そういう機械を入れてそれが結果的に、人から仕事を奪ってしまうってなんか難しいですよね。
そうですね。
それで経済学者は、そうやってやって仕事がなくなる一方で、そこに労働力があれば新しい仕事ができて、そこに人は吸収されていくはずだと、考えてきたんですよね。
それで実際に今までは、そのような形で社会は発展してきたわけです。
そんな中にあってまあ歴史的に見たときに、徹底的にこう失業してしまったものがあるんですけれども、徹底的に失業してしまったもの。
はい。
何でしょう?
実を言うとそれは馬だということなんですね。
馬ですか。
はい。
そう。
馬です。
20世紀初頭までイギリスでは馬が大活躍。
300万頭以上の馬がイギリスでは活躍してきたと。
その馬が…仕事を失ってしまったと。
それは何でだと思いますか?
馬ができる仕事をできるものが出てきて、馬の方が…お金がかかるんですかね。
馬が仕事を失った頃に一体何が馬を置き換えたかというと、小型のエンジンですとかいわゆる内燃機関と呼ばれるものが、開発されてそれが低い値段で使えるようになったんですね。
そしたら駆動力の代わりになるものが…、馬は相対的に魅力を失っていったと。
低価格の小型エンジンが馬を失業させました。
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