「囚人のジレンマ」っていうやつ
やっぱりそういうのをやってるとチーム内で孤立するんで。
いかに孤立しないかって考えていくと、周りのことを考えるように。
ああやっぱりサッカーを通じて、少しずつ変わってきたという感じなんですか。
一般的には日本人は個人よりも集団の利益を尊重する、集団主義的な文化があるって言われてませんか。
なんかそういうイメージありますね。
でもね玉川大学の山岸先生の研究によると、実は日本人というのは別に文化的というか生まれつき、個人よりも集団を尊重するような心を持っているわけじゃない、っていう事が分かってきたんです。
そうなんですか。
はい。
実験は4人の参加者で行われるんです。
それぞれ壁で隔たれた場所にいる参加者。
この面識のない4人に100円が渡されます。
この100円は自分で持ち続けてもいいし、いくらかを寄付することもできます。
寄付した場合その金額は倍になって、他の参加者に均等に分配されます。
これを4人が行います。
できるだけ多くのお金を手に入れようとしたとき、なら100円をどうしますか?
なるほど。
そういうルールだとまあ…100円ですよね。
うん。
100円寄付するんじゃないですか。
それを他の人に分配してゼロになる。
はい。
他の人もみんな同じことをするから、結局得するんじゃないかっていう。
提案したとおり全員が100円を寄付すれば400円が集まる。
それを倍にした金額が4人に配当されるので、1人200円を手にすることができます。
これがなかなか…、そうですね。
このルールやったらみんな…。
そうしてくれると思います?
だけど…、そう。
実はこのルールの中で最ももうけることができるのは、自分は100円を寄付せず他の3人が100円を寄付した場合。
手元の100円と、他の人が寄付したお金の配当金を合わせ、300円を手にすることができます。
ただし他の3人は寄付しない分、もうけが少なくなってしまいます。
それをみんなが考えたらどうなります?
みんなが考えたら、もう無いですね。
みんなが同じことを考えると、誰も出さないから結局はこのままですよね。
だから…結構ジレンマですよね。
そうですね。
かなりのジレンマですね。
「囚人のジレンマ」っていうやつですね。
相手がみんなが協力してくれるって考えたら、200円ずつ全員がもうかると。
だけど自分だけ得しようと思って出さないと最初の100円のままと。
他の人がみんな協力してくれて自分だけ出さないっていうのが、一番いいと思って300円をねらったけれども100円。
全員が同じことを考えると100円になってしまう。
なんかいつもこの「囚人のジレンマ」とかの話をすると、昔話か何かで昔「天国と地獄」の話ってあったじゃないですか。
前に料理があって。
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