江戸時代に地域の共同体が発達
経済的にも大きな問題になっているとか。
…ということを考えてみる。
そういう計算を国立社会保障・人口問題研究所がしてるんですよね。
その数字を見れば社会的孤立の弊害が、分かるんじゃないかと思うんです。
なるほど。
その計算結果がこちらなんですよ。
なんとおよそ2兆7,000億円。
私もう兆を超えると何がなんだか分からなくなるんです。
大竹先生助けて!かなり大きな数字が出ましたね。
そうでしょ?
これ大体どのくらいか分かりやすい数字に換えてみると、日本で一番大きなコンビニチェーンがありますね。
そこの全店舗あわせた売り上げっていうのが、大体3兆円なんです。
へぇ~!だからもし…これが全て、社会的孤立で引き起こされてるわけじゃないですが、一部分でもそういう影響があったとしたら、社会的な孤立を取り除くことに成功したら、経済の面でも財政の面でもいい影響が出てくるかもしれませんね。
そうですね。
社会的孤立が引き起こされる理由は、いろいろあると思うんですけど一つは隣近所のつきあいとか、あるいは周りのつきあいというのが、減ってきたことが理由かもしれないですよね。
コミュニケーション取ってて気軽に相談できる相手がいたら、もしかしたらこうならない場合もあるかもしれないですね。
日本は昔から地域の共同体っていうのがありますよね。
それは大昔からあるというよりは、江戸時代くらいに形成されたとかって言われてるんですけど。
江戸時代になると地域の共同体が発達。
その中心は神社やお寺で人々はその周囲に暮らし、近所同士の結びつきを深めました。
先祖代々のつきあいがあるっていうことで、血縁関係や友人関係じゃなかったとしても、地域の結びつきは結構あったんじゃないかと思うんです。
地域社会というのが同じような仕事で生計を立ててる場合はね。
農家だとか商人という意味で同じような価値観持ちやすいです。
だからそういう価値観のもとでは助け合いって成り立ちやすいです。
はい。
なるほどね。
周り近所が同じような環境で、同じような仕事をしてた場合価値観が一緒になるから、いい関係が作りやすいですよね。
きっと。
そうですよね。
そういう共同体という場合だったらね…、そういう関係成り立ちやすいですよね。
そういう信頼関係があったら自分も人を助けたら、自分が困ったときに助けてもらえる形になると思うんですよ。
「お互い助け合うもんだ」っていう価値観が共有してあったら、万一経済的に困る状態、精神的に困る状態が起こったとしても助けてもらえると。
はい。
そうすると共同体の中の人というのは安心して生活できる。
そういう意味では…、はいはい。
実はこれが「情けは人の為ならず」の意味なんですよ。
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