行列によるシグナル効果
例えば入ったことのないレストランに行列ができていた場合、「きっとおいしいのだろう」と推測するのは、行列によるシグナル効果です。
そうですね。
だからもし品物の品質が悪くて、気に入らないと言われるようなものだったら、そういう品物しか出してなかったら、こういう表示をするとその会社大赤字になりますよね。
だけどすごく品質が高くて、そういう気に入らないと言われる事がないという自信があったら、こういう表示をしても実際に返品する人は少ないだろうと。
質のよい商品を出しているところしか、この表示は使えないということで、それがシグナルになっているということですよね。
はい。
つまり「気に入らなかったら返品可能」とすることで、企業側は自信を表し、消費者はその商品の情報が完全にわからなくても、安心して買い物ができるのです。
まあこういうふうにシグナルっていうのは、普通の言葉で言えば単なる「信号」ということですから、表示してあるというだけですが、経済学で意味を持つシグナルというのは、そのシグナルを出すことが安くて済む人はシグナルを出して、そのシグナルを出すことで非常に高くつくような人は、シグナルを出さないというふうな状況のときに、シグナルが意味を持つんですね。
はい。
ですからいい品質の商品を出しているという自信があるところは、シグナルを出してもいいと。
悪いところはそんな事を書くと、返品だらけになって赤字になってしまう。
だからシグナルを出せませんよね。
はい。
愛媛県今治市が生んだ地域ブランド「今治タオル」
質の高さで人気ですがその秘密はシグナル効果にありました。
あのまずロゴマークを設定しました。
そして誰が見ても「ああこれは今治タオルだ」とわかりやすいように。
これは119社今タオル工場があるんですけど、その119社が組合を皆さんで加盟してるんですけど、その組合がこのブランドを一括管理してるんですね。
今治タオルの基準があるんですね。
あります。
それを超えないと「今治タオル」
つけられません。
…にはならない。
はい。
買う側もこのマークがついてたら安心して買っていい。
そうですね。
ロゴをつけるためには吸水性耐久性など、11項目に及ぶ試験をクリアしなければなりません。
ロゴは品質を保証する役割も担っているのです。
このシグナルってね情報がハッキリわからないときに、機能するということを説明しましたよね。
はい。
で今の例だと売り手はその情報を知ってて、買い手にとっては情報がわからない状況なんですけども、そういうの経済学でなんていうふうに言うか覚えてます?
これは「情報の非対称性」ですね。
そうですね。
ここにありましたね。
ありますね。
その札取ってみてくださいよ。
はい。
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