ロナルド・コース「企業の本質」という論文
ノーベル経済学賞を受賞しているロナルド・コース。
彼は「企業の本質」という論文で、なぜ会社が存在するかについて考察をしています。
今個々の人が個人事業主として自分一人で仕事をしている。
そして必要な時には人と人の間で契約をすること。
必要な仕事があれば誰かを探してきて、その人との間で取り引きをする。
こういうことをたくさんやるということを考えたとしますよね。
通常…、しかし現実はどうでしょうか?
条件のよい相手を見つけ出して料金や納期を決めて、契約を結ぶとなると時間と手間とお金がかかります。
これが「取引費用」という概念です。
ロナルド・コースが世界で初めて着目しました。
例えばこの石こう像を売るという会社を始めるとして、みんながみんなこの個人事業主。
こういう世界だったら、例えばこの型を作る人石こうのものをなんか商品を作る人を、一人一人探してこないといけないですし、また工場をどこに造るかとかもういろんな事を、個人個人の契約でどんどんやってかないといけないですね。
これに対して企業があるとこの石こう像を作るっていう仕事を、委託するときに話がすごい早いじゃないですか。
この会社にお願いしたらその中で既に持ってる工場とか、雇ってる労働者とかを使って作ってくれると。
こういう組織を作って人を雇う雇われる。
こうやってみんなである程度長い間一緒に働く事になってると、例えば誰が何をできるかとかわかってますし、必要な時には仕事をさっと依頼できる。
こういうことから企業っていうものがあるのは、企業の中では取引費用が安く済む。
なのでこちらはそれはそれで望ましい性質があるんですね。
取引費用があるから会社を作るきっかけになってると。
はい。
会社が存在するのにはそんな理由があったなんて、ご存じでした?
でもみんながみんなやらないってことは、なにか難しいこととか損をすることも…。
みんなが起業を始めないことの理由ですか?
やっぱりいくつか理由ありそうですよね。
会社を始めるっていう場合に、一番責任感が重くのしかかってくるっていうのは、やっぱり人を雇うのは結構責任を感じるわけですね。
自分だけ1人でやってる会社もあるわけで、それはある意味気軽にできるわけですけれども、人を雇うというと責任も発生します。
責任だけじゃなしに例えばまず給料を払わなきゃいけない。
ということでお金がかかります。
給料だけじゃなくて社会保険法律で決められた保険も、払わなきゃいけないということもありますし。
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