実際の医療の現場ではどんなことが起こっているのか
知らない間にそっちに導かれてることがあるということですか?
そうですね。
あるいは合理的に選んでると思ってても、実はそういう合理的な選択とはズレてることっていうのがある。
なるほど。
で医療っていうのは、いろいろ選ぶこと患者の側にもたくさんあるじゃないですか。
まずは病院に行くか行かないかもそうですし、お医者さんから「こういう治療法とこういう治療法があって、どちらがいいですか?」って聞かれることもありますよね。
だからそういうときに実は合理的な意思決定が、患者の方でできるのかどうかっていうのは、経済学の視点からもなかなか面白いんですね。
なるほど。
ここで質問。
もしも…、…どちらの方を選びますか?
どっちですか?
Aですね。
やっぱり。
はい。
どうしてですか?
やっぱり95%成功するというのはまあ安心感にもなりますし、それ以上にBの20人中1人は失敗し亡くなるっていう、「亡くなる」っていう言葉がやっぱり恐ろしいというか。
はい。
そうですよね。
でもねよく考えてください。
実はAもBも成功する確率は同じ。
言い方を変えただけなんです。
アハハハッ!これ文面は違うけど言ってる事は一緒なんですね。
そうなんですよ。
だけどこのAで説明した人は手術に同意すると。
はい。
Bで説明を受ける人は同意しないと。
私たちの意思決定っていうのは、言い方で結構変わってしまうんですね。
同じことなのに全然違う意思決定をしてしまう。
こういうのね経済学では「フレーミング効果」っていうんですよ。
フレーミング効果。
はい。
これなんだかいろんな場面でありそうですね!どんなものでも何か基準が必要じゃないですか?
いいか悪いか。
その基準っていうのをどこにするかっていうときに、数字なんかのデータの見せ方を少し変えるだけでですね、基準が変わっちゃうんですよね。
それがバイアスの1つなんですね。
実はお医者さんのそういう説明のしかた次第で、判断が変わってきてるかもしれないんですよ。
なるほど。
はい今日は実際の医療の現場ではどんなことが起こっているのか、聞いてみたいと思うんですよ。
はい。
医師で作家の久坂部羊さんにお話を聞いてみましょう。
久坂部さん。
実際の医療現場ではどのような選択がなされてるかを、お伺いしたいんですけどね。
まず医療現場では当たり前のことですけど、医師の側が医療には情報が詳しいんですよね。
で患者さんの方はあまり詳しくないという…。
そこですでに大きな差が出てるというのが大事だと思います。
それは経済学でいうと「情報の非対称性」っていうものですね。
はい。
情報の非対称性です。
情報の非対称性があると情報を持っていないほうが、信頼を寄せづらく取引もうまくいかないんです。
久坂部さんねこの情報の非対称性の問題は医療の現場で、どんな問題を引き起こすんですか。
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