世帯主の学歴によって減り幅に差がある
もうひとつは公平性という観点でも問題があるんですね。
かつての詰め込み教育の反省から段階的に実施されたゆとり教育。
その一環として公立の学校では2002年度以降、完全週5日制となりました。
2001年の中学3年生の土曜日の勉強時間を、世帯主の学歴別に示したものです。
週5日制導入後いずれも勉強時間は減少。
更に世帯主の学歴によって減り幅に差がある事が分かります。
世帯主が大卒の家は、結構教育熱心な親御さんが多かったりして、その分塾に行かせるとか、家で勉強させるとかなんらかの事をやったんだと思いますが、勉強時間の減り方が少ないんですね。
更に平日と土曜日と日曜日の効果をならして見てみると、こんな形ですね。
世帯主が大卒の中学校3年生を見てみると、7分1日当たり勉強時間が増えてるということで、実際にテストの成績の格差がどうなったのかを見てみても、やっぱりゆとり教育が入る前後で拡大してるんですね。
学校に来なければいけない日を減らしてしまうと、格差が拡大してしまうという側面があるんですよね。
なるほど。
委ねてしまうという事ですもんね。
学校じゃない親とか本人の意思に。
能力別にクラス分けするというのはどうなんでしょうか?
少し能力別クラス編成について図を使って説明したいんですが。
学力別のクラス編成というのは、学力が高い子だけを集めてクラスを作って、低い子は低い子で集めてクラスを作ると。
学力別クラス編成にすると、生徒の能力に合わせて教え方を変えることができるので、学力が高い子には高度な内容を教えて、学力が低い子には分かりやすく丁寧に教えるといった対応が、できるようになるので両方にメリットがあるという考え方ですね。
もうひとつの効果は「ピア・グループ効果」と呼ばれる効果でして。
それはクラスメートに優秀な人がいると自分自身も影響を受けて、勉強するようになるという効果なんですね。
通常のクラスですと一定の割合で学力が高い子がいるわけですね。
ですので学力が低い子も高い人に刺激を受けて、ある程度学力が伸びるという効果があるかもしれないわけです。
ピア・グループ効果で考えると。
はい。
通常のクラス編成でピア・グループ効果が生まれると、学力の高い生徒に影響を受け、学力の低い生徒の成績も上がると考えられます。
一方学力別編成では学力の低いクラスに、マイナスのピア・グループ効果が生まれ成績が下がると考えられます。
ですがにはこんな経験が…。
僕の高校時代は勉強しないやつらが集まってたんですけど、だけど学校を辞めないといけなくなったやつが、勉強したくてもできない…ってなって、みんなで「あいつの分も勉強頑張ろう!」と言って、みんなで勉強して平均点上がった事あったんです。
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