アメリカとロシア ゲーム理論を用いた考察
先ほどの試合のルーズボール争い。
必死に追いかけ体力を消耗してしまいました。
強引にいきすぎるとひどい目に遭う、チキンゲームに当てはまりませんか?
確かにルーズボールも読み合いありますよね。
ええ。
まあこのお互い本気出たときに死ぬわけじゃないですから、ちょっと数字が変わるぐらいですかね。
そうですね。
まあ例えばゼロ1個取っちゃいましょうか。
こんな感じでマイナス1ぐらいずつという感じでも…。
そうですね。
いいと思います。
でも構造は全く同じで相手がほどほどのときには、自分は本気で取りにいってまあ逆は逆という構造は変わらない。
こういうふうに全然一見違う状況に見えるものが、同じチキンゲームというものでまとめて読み解く事ができるというのが、ゲーム理論の面白いところ。
実はこのチキンゲームを使うと先日のクリミア紛争の話も、読み解くことができるんです。
世界情勢というのは複雑で、一筋縄ではもちろん読み解くことはできません。
しかしその側面があったんではないかと思われます。
今年3月ロシアはウクライナの南にあるクリミア自治共和国の編入を宣言。
これに対し欧米や日本は強く反発しています。
松井先生はアメリカとロシアの2国に注目して、ゲーム理論を用いた考察を試みました。
ロシアはまあ本気を出して。
本気でいったって事ですね。
そうですね。
アメリカがほどほどに来るっていうふうに、読み切っていたんではないかなと。
実は昨年8月にあった、シリアの一件があると思うんですね。
ここで化学兵器を使ったとみられるシリア軍に対して、アメリカは警告を発しながらも結局何もしませんでした。
「ここでシリアに軍事介入をすればよかった」と、言っているわけではないんですけれども。
あの時オバマが9月10日に行った演説で、「アメリカは世界の警察役ではない」と言ってしまったんですね。
妥協戦略をとる国だということを世界中に宣言してしまったような。
大統領のひと言とかニュアンスで、いろんなことが変わってくるんですね。
そうですね。
逃げ腰になった瞬間にやられてしまう可能性があると。
いろんな国がやっぱりちょっと強気な発言多いじゃないですか。
「本気だぞ」ということを見せたがるんですね。
だけれどもそれが高じると本当に本気同士になってしまって、戦争という悲惨なことが起きてしまいます。
これだけは避けないといけません。
そのための方策を考えるのも、またゲーム理論が必要になってくるかもしれないと思います。
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