コーディネーションゲームを使って分析
初めから2人で引いてスペースを埋めて、相手がやりにくい状況を僕は作りたかったんです。
なるほど!そうするとこの表をちょっと変える必要がありますね。
つまり2人でトラップをかけ合うよりも、これ花丸。
2人で守る方が本当に一番いい状況だと思ってたと。
こんなゲームをプレーしてたんだということになりますね。
じゃあ宮平さんはなぜトラップをかけようとしたんでしょう?
「オフサイドにしてしまえばここは相手プレーできないでしょ」という考えで、やったんでしょうね。
ああなるほどね。
じゃあ宮平さんは、こういうゲームをプレーしていると思ってたんではなくて、こういうゲームをプレーしてると思ってたんじゃないんですか?
そういうことですね。
2人の間で、プレーしてると思っている状況が違うとこれはなかなか、同じ行動を取るのは難しいですね。
難しいですね。
これを防ぐためにはどうすればよかった?
本来サッカーでよくとられる手段としては、ディフェンスラインで1人リーダーを決めていて、そのリーダーの声に従うということですよね。
そのリーダーがあがらないなら他のやつもあがらない。
そうするとリーダーが例えばだったとしたら、2人で守ってる状況の方が望ましいと思っていたと。
リーダーの判断で守るんだというふうに決めたら、味方もそれに合わせて守ることでコーディネーション協調を達成すると。
これを使うと経済で非常に問題になるような状況も、分析することができると思うんですね。
銀行の取り付け騒ぎも実はコーディネーションゲームを使って、分析することができます。
「取り付け騒ぎ」とは金融機関への信用不安などから、大勢が殺到して預金を引き出そうとすること。
銀行は預かったお金の大部分を企業などに貸し出し、運用しています。
そのため取り付け騒ぎが起こると支払う現金の用意ができず、経営危機に陥る場合があります。
発端は業績の悪化や不祥事など経営に問題がある場合、また失言や噂デマなどもあります。
今回はある噂から取り付け騒ぎが起ったと仮定して、ゲーム理論でその構造をひもときます。
経営の実態にかかわらず噂で潰れることもあると。
そうですね。
これも実は先ほど言いましたように、コーディネーションゲームというもので分析できる。
ご存じのようにお金そんなに銀行には残っていません。
そうするとたくさんたくさんの人間が、いっぺんに下ろしに来ると困ってしまう。
その状況をごくごく簡単にエッセンスを見るために、こういうゲームで見てみたいと思います。
実際には自分というのもたくさんいて、相手方もたくさんいる。
そういう状況をイメージして下さい。
「スポーツと経済学」カテゴリーの関連記事