なぜリーマンショックの被害が世界恐慌ほど大きくならなかったのか、説明できますか?
ところがそれだけではなくて、噂は僕は信じないぞというふうに預けたままにしておいた人も、他の人が引き出してしまうと悲惨な目に遭ってしまう。
逆もそうですね。
こういう感じで銀行が破綻してしまうと、結局みんな損してしまうと。
これって大問題ですよね。
ええものすごい大問題ですね。
1つの銀行が破綻しただけでも、何兆円何十兆円という経済的な損失が発生します。
ところが1929年に起こった世界大恐慌のときには、こういった取り付け騒ぎが至る所で起きてしまいました。
ニューヨーク証券取引所での株価暴落を発端に、未曽有の不況に世界を陥れた「世界恐慌」
その影響は長期にわたり、第2次世界大戦の原因の1つとも言われています。
「世界恐慌以来の金融危機」と言われる2008年のリーマンショック。
リーマン・ブラザーズは経営破綻し、アメリカの主要な投資銀行も痛手を受けました。
しかしアメリカのGDPの変化率を見てみると、2つには大きな違いがあります。
この差はなぜでしょうか?
なぜ世界恐慌に比べて2008年のリーマンショックは、被害がそこまで大きくならなかったんですかね?
これはいろいろな説はあります。
しかし1つ大きかった要素として、世界恐慌の教訓を生かして作られた、「預金保険制度」のおかげだったんじゃないかと。
「預金保険制度」とは金融機関から保険料を集めておき、もし破綻した場合にその金融機関に代わって、一定限度まで預金を払い戻す制度のこと。
日本では1971年に導入されました。
…1人当たり…、一見預金者を保護しているだけに思えますが、実は大きな社会問題を未然に防ぐ効果があります。
銀行が仮に破綻したとしても預金が保護されていますから、元本を失うことはないと。
そういう状況になっています。
例えば預けたままにしておいて相手が引き出しちゃったと。
その時のこの利得は今度はどうなると思いますか?
預金1,000万円以下なんで…それ残りますもんね。
自分の預金は。
そうですね。
じゃあ0ですかね。
利得は0。
元本だけ戻ってきます。
はい。
他のケースも同じです。
何人の人が預金を引き出してもこの制度があれば大丈夫。
元本を失うことはないんです。
随分変わりましたね。
そうですね。
今度この状況だったらどうされます?
預けたままにしますよね。
そうですね。
まあ焦って銀行に駆けつける必要はないですね。
他の人も同じです。
みんな預けたままにしておくので、結局取り付け騒ぎのようなことは起きないということになります。
すごいですね。
1つ制度を変えただけで。
ええ。
すごく危険があったことが無くなったということですよね。
そうですね。
世界大恐慌第2次世界大戦の遠因とも言われてますので。
「スポーツと経済学」カテゴリーの関連記事