「人的資本」という言葉を初めて使った経済学者アダム・スミス
ただですねちょっとこの考え方で不思議なのは、仮に大学入試に合格する能力が重要なシグナルだとするならば、大学入試が終わった直後に雇用主は、大学生を雇用してしまえばいいわけですよね。
はい。
ですけれども追加的に4年間教育をやっている。
これっていうのは一体なんなんだと?
出てくる考え方はやはり教育を受けることによって、実質的な能力の部分が高まって労働者としての生産性が、高まるんだっていう人的資本の考え方になるんですね。
はい。
その4年間を使って自分の可能性を広げてるっていう、考え方ですかね。
そうですね。
「人的資本」という言葉を初めて使ったのは、18世紀の経済学者アダム・スミスだと言われています。
スミスは道具や建物などと同様に人間の技能や判断力が、生産のために必要な資本であると考えました。
再び人的資本が注目されたのは1950年代。
研究者たちは労働者の数工場・設備資源などの増加だけでは、各国の経済成長率の伸びが計算上説明できない事に悩んでいました。
数値のズレの謎を解明したのはノーベル賞学者のアーサー・ルイスでした。
人間の知識すなわち人的資本が向上すれば、技術革新が起こり生産性が上がると考えたのです。
同じくノーベル賞学者のセオドア・シュルツは、「人的資本の重要な役割は新しい変化に対応する能力である」と、主張しました。
シュルツは農業経済学者であり、環境や土壌に応じて臨機応変に農薬を使いこなす能力が、生産力に現れると考えたのです。
ジェイコブ・ミンサーやゲーリー・ベッカーは人的資本を、「投資」という枠組みで理論化しました。
「教育は経済成長に密接に結びつく」と主張したのです。
教育と経済成長ってやはり関係があるんですか?
はい。
世界共通のPISAというテストがあるんですが、これはOECDという先進国が入っている団体がやっている、試験の結果なんですけど。
2006年に中学3年生向けに行われたテスト成績と、各国の経済成長率の関係を表した図です。
テストの成績がよい国ほど経済成長率が高いことを、示しています。
メキシコがここの成績があんまりよくなくて、経済もあんまり成長してないと。
かたや韓国の方は…。
ちょっと飛び抜けてる感じしますねこれで見ると。
そうですね。
韓国は非常に教育熱心な国として有名なので、同時に韓国って経済成長率が高かったんですよね。
はい。
日本はここですか。
そうですね。
悪くはないですよね。
全く悪くはなくて。
成績非常にいいですし、経済成長率も1960年~2000年ということになってますので、高度成長期が入ってるんですね。
ですから平均すると成長率は高かったと。
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