「コモンズの悲劇」は代表的な社会的ジレンマの一例
今「シェア」がブーム。
経済的な効果だけでなく人と人とのつながりを、生み出しています。
シェアハウスのリビングには住人以外の仲間も自然と集まってきます。
「ゲーム理論を使えば満足度の高い中古品の交換ができる!」
今回も経済学界の貴公子安田洋祐が登場!一発ギャグはシェアできるのか!?
ウィーン!上手にシェアしてみんなで豊かになれる方法を経済学的に考えます。
本棚空じゃないですか。
本をシェアしてるんです。
独り占めはダメですよ。
手伝ってくれるんですか?
もちろん!シェアには協力が大切なんです。
ありがとうございます。
この辺でいいですかね。
そうですね。
さっき1人で本をたくさん積んでて怒られたんですけど。
シェアにもいろんな問題がありますが最も代表的な問題が、「コモンズの悲劇」と呼ばれる問題なんですね。
「コモンズの悲劇」
シェアしていたときに自分だけ共有の資源を、たくさん使ってしまう。
はいはい。
コモンズというのは日本語で言うと…、そういったモノが代表的なコモンズになります。
「コモンズの悲劇」がどういう形で起きるのかをイメージできるように、ここに仮想の牧草地を用意してみたんですが…。
柵で囲われてるのが共同の牧草地になります。
今安田農場と農場が…。
かなりのカッコいい感じになってますけど。
お互いに牛を入れていくとどうなるかっていうのが…。
どんどん増えていきますよね。
そうですね。
自分で管理してる牧草地じゃないので、相手がたくさん草を食べちゃう前に、どんどん自分も入れて見るからに牛の数が最後増えてきましたが、どうなっちゃうかっていうと最終的に、牧草がなくなってしまうと。
枯れましたね。
枯れましたね。
これが「コモンズの悲劇」
共有地の悲劇と言われる問題ですね。
程度を考えずに自分の得だけを考えすぎると、そのシステム自体がダメになってしまう。
ダメになってしまう。
「コモンズの悲劇」を提唱したのは生物学者ギャレット・ハーディン。
共有の牧草地に複数の農民が牛を放牧していると、それぞれが自分の取り分を増やそうと、牛を勝手に増やし始めます。
その結果牧草地は荒れ果て牛は死んでしまい、全ての農民が損害を被ることになります。
牧草地に牛が入ってくると全体ではどんどんどんどん、牧草が減っていくじゃないですか。
でも自分にとってはそのコストは、全部1人で負担する訳ではないのでコストは小さくなってる。
要は対価に見合ったコストを払わなくてもいいので、どんどん牛を入れてっちゃう。
自分にとっての損得と、全体にとっての損得がかい離している中で、みんなが自分にとって得になるように行動して、失敗してしまうようなことを「社会的ジレンマ」と呼ぶんですが、この「コモンズの悲劇」は代表的な社会的ジレンマの一例になってる。
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