経済学の用語で「レントシーキング」と言う
オンラインオークションでこれを売りに出すと完全な私的財で、誰かがこれをゲットしたら他の人はもう消費できないと。
なるほど。
その場合には私的財になるという形で。
これを買う人がいるとは思えませんけどね。
いやいや!プレミア価格が付くかもしれないですよ。
アイデアであったりそういったいかにもシェアしやすいモノは、大部分が公共財と考えられますよね。
特に今はインターネットの普及なんかでシェアされやすくなってますよね。
自身も何かそういったインターネットに関連して、やられてることってありますか?
そうですね。
僕もSNSで、ライブの告知をしたりあとは有料でウェブマガジンみたいなところで、いろいろ文章書いたりもしてます。
そのアイデアとか知識ですね。
情報といったモノを保護するための法律的なルールがあります。
俗に「知的財産権」と呼ばれるモノで、特許・著作権・商標という3つから具体的にはなっています。
次のようなトレードオフなんですね。
もしもこういった知的財産権で保護を全くしないと、そもそも新しいアイデアを生み出すインセンティブが発生しないのではと。
一方で知的財産権を強くしすぎてしまうと、一度生み出したアイデアなんかがなかなか社会に浸透していかない。
逆に手厚く…、これは一方を得ようとするともう一方を失うという、「トレードオフ」の状況にあるのです。
こういった保護がないとなかなかアイデアって出てこないもんですかね。
確かに自分が生み出した発想とかが、次の日にはもうみんなが共有できるモノになってると、発想のみで勝負したい人間というのは負けますよね。
最近のいくつかの経済学の研究によると、知的財産権を認めるメリットは従来思われたよりも、そんな大きくないのではという研究が出てきてるんですよね。
最近の経済学は知的財産権のメリットよりも、デメリットに注目しています。
1つの例として蒸気機関の発明で知られる、ジェームズ・ワットの逸話があります。
実はワットが特許を取ったことで産業革命が遅れたというのです。
ワットが蒸気機関の特許を取ったのは発明の5年後。
特許期間中の蒸気機関の馬力は、一年につきおよそ750馬力の増加でしたが、特許が切れると5倍以上のおよそ4000馬力も増加します。
この他にも特許期間終了後に蒸気機関車や蒸気船などが誕生。
ワット自身も他人の特許のために、蒸気機関を改良するチャンスを逃しました。
特許が技術の進歩を邪魔してしまったのです。
ワットさん自身やってたらしいけど自分の特許を認めてもらうために、いろいろと労力を費やしてるんですよ。
これを経済学の用語で「レントシーキング」と言うんですが。
自分が独占権を獲得するためにいろいろなコストを払って、本業とは違うことをやるわけですよね。
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