日本で「コモンズの統治」が機能している例
鋭いですね。
コモンズを管理しているメンバーにあんまり移動とかがあると、うまくいきにくいんですね。
同じ場所に住んでいて、もともと何かのつながりがある人だとこういったメカニズムは、うまく働きやすいと。
そうですね。
「コモンズの統治」ですがこういったメリットがあると言われています。
「モニタリングコストの低減」ですけれどもこれはお互いにコモンズを使っていた、ある意味ご近所さん同士で監視するわけですよね。
なので相手の行動をモニターするのが比較的簡単だと。
これ政府が管理するとなったら誰か役人を派遣して、ズルしないかって見張ってなきゃいけない。
コストはかからない。
次2点目の利点は「環境変化に対する柔軟性」
これもつぶさにコモンズの近くで状況を観察していれば、例えば牧草地に今年は豊作でたくさん草が生えてたら、ちょっと入れる牛の量を増やしてもいいし、そういったことは当事者であればよく見えるけど、外部の人間だったりするとあまり観察がうまくできない。
環境変化に柔軟に対応できないかもしれないということですよね。
確かに現場で起こってることからだいぶズレが出てきたり、家で言うと。
実際に使ってみないと。
外から見ててたまに来てる分にはいい雰囲気やなと思っても、夜異常に冷え込むとか。
だから自分たちでやった方がいいんだろうとは思うんですよね。
実際ね節電の例なんかで言うと政府管理とか私有化というと、ちょっと難しそうですよね。
政府はちょっと極端なんで、大家さんに見張ってもらうのもちょっとありえない気もするし。
あと私有化だとそれぞれ使うコンセントに、電力どれぐらい使ったかという計測器を付ければ、やれるのかもしれないけどそれもお金かかるし。
大家さんとかになってくるともしかしたら、もう夜22時以降電気禁止とか。
そうそう。
日本にも「コモンズの統治」が機能している例が見られます。
日本有数の温泉地修善寺温泉。
以前には無秩序な温泉のくみ上げによって、水温が低下したり泉質が劣化するなど問題がありました。
源泉を買い上げて共同で管理することにしました。
そして組合に加入する温泉旅館には、「それぞれ温泉を使った分だけ課金する」というルールを決めます。
これによって源泉の無駄遣いがすっかり無くなったといいます。
今までコモンズに焦点を当ててきてるんですが、一般的に経済学でモノとか資源を「財」と呼んでいて、4つに分類することができるというのは知られています。
財は消防外交などの「公共財」
海中の魚などの「コモンズ」
衣服などの「私的財」
スポーツジムなどの「クラブ財」の、4つに分けられます。
今手元に4つ、ちょうどこの4つのカテゴリーごと1種類ずつになってますので、どの財がどこに収まりそうか貼っていってもらえますかね。
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