経済に一番いいインフレ率は?
これまでデフレとインフレの悪い面を見てきました。
では私たちにとって最も理想的な物価ってあるのでしょうか?
経済には一番いいインフレ率ってあるんですかね。
インフルとデフレの悪い面があるならゼロっていう状態が、どちらもない状態が一番中立でいいんじゃないかと思うんですが。
実は今までにさまざまな議論があって、ゼロ%が最適だからそうすべきだというのもあったんですけれど、実際現実的には大体2~3%ぐらい…3%ぐらいが、適当じゃないかなっていうのが一般的に言われているんです。
それにはいくつか理由があります。
その一つを説明するために、「実質利子率」という考え方をご紹介したいんですけど。
名目利子率からインフレ率を引いたもの。
名目利子率というのは預金したときに、「10%利子が付きますよ」というような話ですよね。
でも実は必ずしも金額が増えた分だけ、物が買える量が増えるとは限らないわけですよね。
イケメン人形が家を買いましょうということで、1000万円の借金をしました。
例えば1年たって10%の利子が付いて、返さなきゃいけないということになったとしたら、これは1000万円の借金じゃなくて1100万円。
そうですね。
…に増えてます。
で家の価値は1000万円のままということで、もしインフレ率が上がって10%になっていたとします。
家の方も1100万円になってるかもしれない。
そう考えると実はこの金額っていうのは、家そのものの金額と同じになっていて、実質的には利子を払ってないのと同じであると、考えることができるんです。
もしここがデフレだったらどうなるか、ということなんです。
その場合例えば、10%の名目利子率から先ほどはインフレ率だったので、10%引いたんですけどもし10%のデフレだったら、プラスマイナスが反対になりますから足す感じになっちゃうわけですね。
しかも最近では名目利子率がほとんどゼロに近い状態になってる。
そうするとこれをもう下げることはできないんですね。
そうするとこっちがどんどん大きくなったときに、これを下げて実質利子率を下げるってことができないので、インフレ率がプラスでという状態が保たれてる方が操作がしやすい。
そういった意味で一つはここがゼロ%というのを、目標にしてしまうよりも少し高めの方が動かせる余地がある、という考え方なんです。
そういう事なんですね。
みんなが物を買わないから不況になったとか言われますが…。
もっと安くなったら買うかな。
お給料が上がるとか。
お給料が上がれば…。
使うかな。
おまけとか。
そういうのが付いてれば買うんじゃないかと。
質のいい物を。
ああなるほど。
でそれを買う。
買いたいなと思わせる。
僕もあんまり買わないんですけどそう言われてみると最近ね。
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