流動性が高い社会
それで所得の分布というものを考えてみたいんですけれども。
横は所得の額で縦の方が人数なんですけれども、大体どこの国の所得も、比較的貧しい人の所にガッと固まっていて、こう豊かな人がいるというようなこんな形の分布になるんですね。
この幅が広ければ広いほど、格差が大きいという事になるわけですけれども。
ただその幅だけだと分からない事もあるんですよね。
一回貧しい状態になった人この辺の所にいる人ですよね。
この人たちが将来はここを抜け出して豊かになれると、今は貧しいけれども将来は豊かになるという、この移動が生涯の中で大きければ、一時点の格差が大きくても、それほど生涯の格差というものが大きくないのかもしれませんし。
一方で一時点の格差が小さくても貧しい人がずっと貧しいままと。
逆に言ったら一度お金持ちになってしまったら、それがずっと続いてしまうというのも…、この幅がちっちゃくても問題だという事になるでしょうね。
やはり努力をずっと続けていないと、また所得が落ちてしまうかもしれない社会の方が、「流動性が高い社会」なんて言いますけれども、そういう社会の方がいい社会かもしれないですよね。
結構それってでもすごい怖いじゃないですか。
貧しい時代を経て努力してお金稼いで、まだ大丈夫じゃないって事ですよね。
そうですね。
例えば数年前仕事が全然無かった頃の僕というのは、本当にこの辺やったと思うんですけど、今いろいろお仕事を頂いて平均的なこの辺にいるとして、今後こうなっていくのが理想ですよね?
そうですよね。
僕31なんですけど現時点でここでも、来年どうなるかですよ。
そうですね。
32でここかここかという事ですよね。
先こっち言うのやめてもらえます?
すいません。
選択肢の1つ目がここかっていう…。
ここかここですか。
そうですね。
格差社会を考える時最も重要な事は、貧しい人々と富める人々の間で、移動が可能かどうかという事です。
いつまでも貧しい人が貧しいまま、富める人が富めるままでいる社会では、将来に対する希望が抱けません。
今若い人々の間で「自分が一生貧しいままだ」と考える人が、増えているといわれています。
この将来の希望に対する格差を「希望格差」といいます。
何で希望を持てない人がいるんですかね?
それは日本の労働市場の特徴というのもあると思います。
やはり正社員で就職しようと思うと、入り口がすごく集中しているわけですね。
例えば自分が学校を卒業する時に景気が悪かったと。
2008年に金融危機が起こりましたけれども、その直後に労働市場に出なければいけない新卒だった人は、大変だったんですね。
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