1970年代からジニ係数が上昇傾向
ここの所までの人というのが、全く所得を得ていないという事になりますから、ものすごく貧しい人が半分ぐらいいて、あとの人の中では比較的平等に所得が分配されてると。
ほぼ半分に分かれてるという感じですね。
そうですね。
こういう…。
この急に増える所までの人たちというのは、平等に所得が配分されていて、最後の1人というのが、半分以上の所得を取っているような、そういう社会だという事になりますね。
日本ではさまざまな調査データによって、数値に違いはありますが、1970年代からジニ係数が上昇傾向にあります。
つまりこのデータで見ると、格差はだんだんと大きくなっているのです。
もっともこれには、格差の大きい高齢者層の人口に占める割合が、上がってきたためという指摘もあり注意が必要です。
一億総中流と言われてた時代から、なぜ日本は格差が広がってきたんですかね?
一つは経済活動に国境がなくなってきたという事なんです。
それは発展途上国から日本やアメリカのような先進国が、安い労働力を使って作ったものを輸入するようになったと。
それで日本の工場が海外に出ていってしまうという事も、同時に起こってるわけですね。
それによって日本の中でその仕事をしてた人たちが、貧しくなってしまうという事が起こりうる。
もう一つはコンピューターを使われてると思うんですけれど、我々の生活の中にコンピューターがたくさん入ってきてますよね。
20年前のオフィスというのを見てみると、伝票を処理したりとか、あるいは全て紙ベースの書類なのでコピーをとったりとか、そういう事務作業をしてる方というのは、たくさんおられたんですね。
でも今その人たちの仕事というのは、かなりコンピューターに置き換わってしまってるんですよね。
仕事がなくなったんですね便利になった分。
まさにそういう事で。
でもそういうふうにパソコンで処理したり、海外に工場を持っていったりした方が、会社の利益とかは上がるという事ですよね。
そうですね。
何とか皆で一回やめようとかできないんですかね?
産業革命が起こった頃に、機械を入れると格差が拡大するので、労働者が機械を打ち壊そうとしたという、「ラッダイト運動」というのがありまして、だからやっぱりそういう考え方というのは当然出てきますよね。
現実に生活が苦しい人ってたくさんいるじゃないですか。
例えば公園で寝泊まりされてる方とか、そういう人を見て子供の時に「どれくらいお金があったら、その生活から脱出できるんだろう」とか、「もし自分がそうなったら、これぐらいは必要やな」とか僕よく考えてたんですけど。
やはり厳しい現実があって一回貧しくなってしまって、そこから抜け出せないという事があると、それが本当の問題なのかもしれないですよね。
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