かつては経済学では選択肢が多いほど人々の満足度は高くなると考えられていた
これアメリカのスーパーマーケットで実際に行われた実験なんです。
まず「試食をして下さい」と、24種類と6種類のジャムを別々の売り場に並べました。
試食したお客さんの割合は、24種類の方は60%6種類の方は40%でした。
しかし実際に買ったお客さんの割合を調べてみると、6種類ある売り場から選んで買った人は30%。
24種類の売り場からは僅か3%だったのです。
試すなら種類が多い方がいいけど、買うには選択肢が少ない方が決めやすいという事ですかね。
こういうのを「選択のパラドックス」と言うんですよね。
選択肢が多いほど満足度は高くなるはずじゃないですか。
ところが過剰な選択肢があるとこれを選んだら、他にもっとよかったのがあったんじゃないかと、思ってしまう可能性ありますよね。
ありますね。
だから後悔したりとか、失敗したんじゃないかというふうな事を思ってしまう。
かつて経済学では選択肢が多いほど、人々の満足度は高くなると考えられてきました。
でも必ずしもそうではないという事が分かってきたんです。
アメリカの大学で就職活動の満足度を調査したところ、成績が良く多くの会社から就職先を選べた学生ほど、自分の選択に落胆や後悔があり満足度が低いという結果でした。
逆に成績があまり良くなく、限られた中から就職先を選んだ学生は満足度が高かったのです。
たくさんの選択肢の中から選ぶと、「やっぱりあっちにしておけばよかったかも」って、後悔する事ありませんか?
今インターネットとかそれから携帯電話スマートフォンでも、情報っていっぱいあふれてるじゃないですか。
たくさんの情報があるんで、本当は一番いいものが選べて満足度が高くなってるのに、選択肢が多くなり過ぎてて迷ってしまうというのは、ありませんかね?
ありますね。
メニューがいっぱいある店へ行ったらイライラする時ないですか?
何でこんないっぱいメニューを作ってしまったんやという。
ありますよね?
はい。
本を1冊紹介する仕事でも僕いつも袋に、30冊ぐらい持っていって相手が引くんです。
「何でそんないっぱい持ってきたんですか?
」みたいな。
全然紹介しないんですけど。
人生設計する場合もこんなにたくさんの中から、「この可能性もあった」って言ってると、いつまでも決められなくて、決めたとしても後悔するかもしれないけれど、あえて自分の情報を絞っておいて、その中から選択して満足しようというふうな気持ちになると、幸福感も増すかもしれないですよね。
確かにありますよね。
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