「差の差の推定」とは?
そうなんですよ。
この差の更に差を取って因果関係を調べましょうと。
こういう研究の手法のことをはい。
「差の差の推定」と言います。
マイアミの変化からその他の都市の変化を引いた「差の差」から、因果関係があるかないかを判断します。
比較するところと分析の対象になってるところを、比べるっていうそういう方法ですね。
なるほど。
あのう視聴率とかでも言えると思うんですけど、あるゲストが来て視聴率が上がったと。
そのゲストがすごいんじゃないかと思いますけど、野球の試合が雨で中止になってたとか、比較して考えるってことですかね。
ものすごい鋭いですよね。
そのタレントさんの効果を推定するっていう、そういうことですもんね。
まさにうん。
差の差の推定ですよね。
そういうことですよね。
はい。
「差の差の推定…。何かと比較して真実がわかる…か。でも今は目の前にいるあなたしか見えない」
「あなたは実に美しい。これまで出会った誰よりも」
「誰よりも?」
「気付かないうちに僕も比較していたんだ。いけないな。持てない。あっ持てた」
「置けない。あっ置けた。笑った?カップを置きそびれたから?それともこの時間が楽しいから?
原因がわからない。
もし仮にビッグデータがあっても人の気持ちはわからない。
わからないもんだ。
恋も因果関係も」
因果関係があるかないかを判断するのは難しいですよね。
そうなんですよね。
データからわかるのは相関関係で、なかなか真の因果関係はわからないんですね。
1つの例を出してみたいんですが、スポーツ選手に対しての体罰っていうのが、効果があるかないかっていうある種の議論がありますよね。
昨今問題になっている指導者による選手への体罰。
「緊張感が出て選手の成績が伸びる」という主張もあるようです。
本当に因果関係があるのか統計学で考えてみましょう。
スポーツ選手同じ人が何回も走っても、タイムがいい時もあるし悪いときもありますよね。
そうするとどんな感じになるかっていうと、悪い時があっていい時があって悪い時があっていい時があって。
こんなにきれいな感じじゃないかもしれないですが、概念的に考えるとこんな感じの関係があるかもしれないですよね。
どんな時に体罰って起こりますか。
悪い時ですよね。
調子には波があります。
仮に調子が悪いとき体罰が行われたとします。
まるで体罰に選手の調子を上げる効果があるように見えますが、これはただの相関関係。
2つの事実が同時に起こっただけのこと。
何もしなくても選手は好調になります。
因果関係があるとは言えません。
こういうふうに相関関係から因果関係を、このケースで読み取ってしまうことを「平均値への回帰」と言うんですね。
平均値への回帰。
はい。
回帰っていうのは「戻っていく」って意味なんですね。
そうするとこの平均値スポーツの成績の平均値の周りを、大体成績というのはウロウロしてると。
そうすると平均から離れると平均に戻っていく。
平均から離れると平均に戻っていくという。
その平均値への回帰ってのが起こると。
こういう平均値への回帰っていうのは、自然現象とか社会現象とか結構いろんなところで見られると、言われてるんですよね。
以前風邪をひいたときに熱が出て、薬を飲んでも治らなかったときに、もう現代の医学に頼るのはやめようと思いまして、当時つきあっていた恋人に宮沢賢治の「雨ニモマケズ風ニモマケズ」を、朗読してもらったんですよ。
はいはい。
そしたら次の日治ったんですよ。
なるほど。
それをみんなに言ったらそれは治るタイミングやったんやって。
そうですね。
言われた事があって。
なるほど。
先生の話聞いてたらそれを思い出した。
なるほど。
後編はビッグデータと因果関係についてお話をいろいろと伺いましたけど。
そうですね。
データからわかるのは基本的には相関関係だけなんで、そこから因果関係まで読み解こうと思うと、やっぱり一工夫必要だって事ですよね。
なるほど。
その因果関係を結構自分の想像力だけで、乗り切ってしまおうとするところがあるんですけど、それは実は結構本当のこととずれてて1つのデータがあっても、いろんな見方をするっていうことですよね。
そうですね。
データっていうのが人々のどんな行動から、生み出されてるのかっていう事を説明する理論ってのが必要で、その理論の部分は経済学が提供している部分があるので、大きいのでその経済学の理論っていうのを、やっぱりうまく組み合わせてビッグデータと組み合わせて、多くの事を明らかにしていく事が必要だと思いますね。
なるほど。
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