労働経済学と呼ばれる分野
私の専門にしてる分野 労働経済学と呼ばれる分野なんですけど、失業率とかそういうことをやるんですね。
それで今日本の景気だんだんよくなってきて、外国から労働者の方に来ていただいたらどうかという、そういう意見もあるんですね。
そういう意見がある中で、反論としては既に仕事ない人もいるのに日本の国内でですね。
そこに外国人に入ってきてもらうのはどうなんだろうと。
そういう反論があるんですね。
ですから移民の人たちがたくさん入ってきたときに、もともといた人たちの失業率がどんなふうに反応するかは、関心があるところなんですね。
1980年アメリカとキューバの間で「移民と失業率」の問題が起こりました。
カストロ政権が一時的に出国を認めたため、多くのキューバ人がやってきたのです。
半年の間に12万5千人が移住。
マイアミの人口は7%増加しました。
このときマイアミの黒人失業率、つまりもともといたアフリカ系アメリカ人の失業率は上昇し、「移民が仕事を奪っている!」という議論が起こりました。
果たしてキューバ移民とマイアミの失業率の間に、因果関係はあったのでしょうか?
どんなストーリーを描き出しますか?
やっぱり1980年にキューバから人がたくさん来て、失業率を見るとそこに因果関係があるように思いますよね。
そうですよね。
それが普通の反応だと思います。
ですけれども実を言うとですね79年~81年という期間は、アメリカ経済全体が少し調子悪くなった時期でもあるんですよ。
そうするとこの失業率が上がってるということが、移民の影響なのか景気が悪くなったことの影響なのか、ちょっとわからないんですよね。
である研究者がやったのが、マイアミに似た他の大都市の黒人の失業率は同じ期間に、どういうふうに動いただろうかというのを調べたんですね。
はい。
ロサンゼルスなどその他の都市とマイアミの黒人失業率の変化を、見てみましょう。
マイアミでは1.3%その他の都市では2.3%上昇しています。
あ~!マイアミより大きいですね。
ですよね。
マイアミの方は景気の影響と移民の影響と、両方が混ざってるわけですね。
両方が混ざってるものから、景気の影響だけを取り除きたいというふうに考えると、マイアミの変化からその他の都市の変化を差っ引いてやれば、景気の変化の影響を差っ引くことができますよね。
ですのでこの差の差を取ります。
そうするとマイナス1.0%ポイントということになりますね。
はい。
マイアミでは移民の流入っていうのがあったんですけど、少なくとも移民がたくさん来たから、失業率が上がったっていうことは言えないのかもねと。
そうですね。
他の都市と比べたら緩やかってことですもんね。
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