回収できない費用というのは「サンクコスト」と言う
もしも大学を卒業して働いた場合
年収の平均は20代前半だと323万円。
30代前半になると526万円。
64歳まで働いた場合生涯賃金は2億7,900万円もらえるんです。
費用の方を考えてみたいと思うんですね。
お笑い養成学校の入学金と授業料は
いくらぐらいだったんですか?40万円ですね。
何年ですか?1年です。
大学進学する場合の費用は国立大学だと240万円。
そのコストをかければ
生涯賃金2億7,900万円を得る事ができます。
一方お笑い養成学校の費用は40万円。
でも生涯賃金がいくらになるのかは分からない。
僕は最初の1年目から2~3年は年間で10万円とかでしたね。
年間で10万円。なかなか厳しい人生だったんですね。
もしこういうデータを高校生の時に知ってたら
どちらを選んだかというのは?
高校3年の選択肢が2つある状況では
お笑い養成所へこのデータを見ても行くと思うんですけど
養成所へ実際進んで仕事がなくて
腹がずっと減ってる状態の1年目の頃の僕に
今なら1年前に戻れるよと言ったら
間違いなく大学へ進むを選んでたでしょうね。
ずっとこんなはずじゃなかったと思ってたんで。
ああなるほど。
どちらの道に進むか迷った時
もう一方の利益を考えて選ぶのが
経済学的賢い人生の選択なんです。
もし大学へ行っていたらという話を
今してきましたよね。
でもね実は経済学では
過ぎた事を考えても無駄だと言われてるんですよ。
これだけ考えてきたのにですか?はい。
僕は過ぎた事だけを考えて
今日まで生きてきたような人間ですよ。
今の機会費用を考えるというのは
これから先の選択肢を選ぶ時にはとても大事な話なんですよ。
でも既に支払ってしまって
これから先回収できない費用というのは
「サンクコスト」と言うんですけどね。
だからどっちの選択肢を取っても
払った費用というのは同じで回収できませんよね。
お笑いの養成学校を卒業して
お笑いの道へ進むという事を決めたわけですよね。
40万円かけたんだからお笑いに行かないといけないとか
40万円を取り返すための仕事をしなきゃいけないというのは
実は考えてもしかたがないんですよ。
考えてもあまり意味がないというお金なんですね。
やっぱりとらわれない方がいいんですけど
逆に利用する事もできるんですよ。
逆にですか?はい。
アメリカのある会社はサンクコストのもったいない感じを利用して
従業員のやる気を高めている。
こんな感じで使ってるんです。
新入社員の1か月研修が終わると社長がこう言います。
「今会社を辞めるなら20万円渡すので
辞めませんか?」。
働きたい社員は当然提案を断ります。
この断った20万円がサンクコスト。
断ってまで会社に残る事を選んだのだから
その分を取り戻そうと一生懸命働くというのです。
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